お世話がせ★ -後編-
「んあー…頭、いてぇ………..腰が痛い….」 新一は酷い二日酔いで、目覚めた。頭がガンガンしている上に、 腰も痛くて何も考えられない状態だったが、 何時も隣で眠っている快斗がいないことに気付き、不思議に思っていた。 「快斗、どうしたのかな?まだ7時だし、それに土曜日だし、仕事もオフだって言ってたよな…?」 手を顎にやって完璧に推理モードになっている新一。かすかに物音が聞こえたので、 耳を澄まして聞いてみる。 耳を澄ましていたら、何人かの話声が聞こえてきた。そこで新一はふと、変なことにきずいた。 「佐藤刑事と高木刑事….それから警部の声?ん?良く聞いたら….調査一課の声が…..」 不振に思い、ローブをはおり、一階のリビングへ下りていった。 リビングでは新一の思ったとおり調査一階メンバーがいた。 快斗、子供達四人、蘭と哀もいた。そして不思議な事に、新一と快斗の母親もきている。 優作も担当者ずれで居る。 「快斗。どうしたんだよ、警部達まで呼んで」 「あっ、新一!何着てんの!!」 「え?ローブだけど….着替えるのタルかったから…それにこんな姿、誰がみても問題ねーだろ? それに俺の寝起きなんて、みんな見たことあるんだし。なぁ?」 調査一課に同意を求める新一。もちろん調査一課は赤面しながら、頷いていた。 な?と快斗に言う新一。快斗は「そう言う意味じゃなくてぇ(汗)とツッコんでいたが、 新一はお構い無しに快斗へ歩みよった。 快斗が座っているシングルソファの腕のせに座り、改めて今ここに居る面子を見回してみた。 真横のロングソファには警部、高木刑事、佐藤刑事、蘭。そして腕のせに服部。 その斜め横にあるシングルソファには志保、その周りには雅斗、由佳、悠斗、由梨。 そしてリビング全体には、ソファに座りきれない為立っている調査一課メンバー数十人。 心なしか何故かみんな、寂しそうな顔をしている。 「どうしたんです?事件ですか?」 そう言うと皆は、もっと悲しそうな顔をした。 驚いて快斗にどうしたか訊こうと思ったが、その快斗も悲しそうな顔をしていた。 訳が解らずキョロキョロしていた新一をみていた哀が、何かに耐え切れないように口を開いた。 それにつられて皆も、発言し始めた。 「工藤くんっ。何故貴方はいつもそうなの?!苦しい事があるなら、隠さないでよっ! 貴方一人の身じゃないのよ??!!!」 「へっ?」 「そうよっ母さん!私達がいるでしょう!!」 「ゆっ由佳?」 「そうよっ新一!私も居るじゃない!幼なじみでしょっ!!」 「らっ蘭(汗)」 「そうや、そうや!ねーちゃんの言うとおりやっ。俺も居るやないかっ。親友やんか」 「服部?」 「そうよ由希ちゃん!こう言う事は、私達、調査一課へ連絡してよ!」 「れっ連絡?佐藤さん、何を言ってるんですか?」 新一の発言をみんな完璧無視して、次々と新一に意味の解らない事を言っている。 ましてや優作の担当者にまでにも言われて、新一の中の何かがプチッと音をたてて切れた。 普段ならそれに敏感に気付く家族も、喋っていて気が付かなかった。勿論、快斗も気が付かなかった。 プチッ
ゼェハァと息を荒々しく立てている自分に、快斗が席を譲ろうとしたが断って、足をくみ、座りなおした。 その瞬間新一の美足がみえて、快斗を除いた男共全員が、赤面したのは言うまでは無いだろう。 それ言うことに対して鈍い新一の美足を、快斗が素早く隠した。 「よし。快斗、お前話せ」 「…うん。新一、ちょと訊くけど良い?昨日、家に帰って来てから何したか、覚えてる?」 「は?俺が帰宅した後?たしか、いらついてて…あっ!」 「思い出した?」 「アルコール飲んだ!なんだ?飲んじゃ駄目だったのか、あれ?」 がくっ、となる快斗。溜息をしつつ、その後は?と訊いた。 「ん〜。覚えてない。記憶があるのは起きた時からだけど…?何かしたのか?俺」 きょとんと、顔を傾げている新一。それにまたまた、がくっ、ときた快斗。 意識を遠くへ飛ばしている快斗の、目の前で手をちらつかしている。 「……新一。何んでイラついていたか教えてくれる?」 「え?理由?たしか………../////////////!!!!!!!やだっ!絶対教えない!!」 顔を真っ赤にさせて反論する新一。それをみて快斗は、こう言った。 「新一。その理由ってさ、レイプされたから?」 「!?」 真面目な顔して何を言うかと思えば、『レイプされたから』と言われた。 新一は顔をもっと真っ赤にさせ、快斗に向かって怒鳴った。 「何言ってんだよ!!!バ快斗!!!!」 「!!??違うのっ?」 「ったりめーだろーが!!!!!!!」 その瞬間、皆からどよめきの声が上がった。と言うよりも、驚きの声が上がった。 「俺がイライラしてた理由はっ!!…お前の…….ごにょごにょ////////」 「え?何?声ださないと聞こえないよ?新一」 「わぁってる!!理由はだなっ……//////////」 言うと思ったら、赤面して顔をうつ伏した状態でゴニョゴニョと小声で喋って、何も聞こえない。 快斗と雅斗にすら聞こえないくらいの小声だ。 「新一?」 「だあああっ!!だからっ、お前の悪口聞いたからっ!!」 シー――――――――――ン 「しんいち〜v大好き~vvvvvv」 「うわっ、抱きつくなバカ!////////////」 他の人、完全無視で二人の世界に入ってしまった新一と快斗であった。 一番心配していた哀は、その光景をみて呆れたように言った。 「これって、あてられているだけよね?」 「完璧に。だな。変だと思ったんだよなー、あの母さんがレイプされるなんて。 哀姉、母さんに変なことしないでよ」 「あら?雅斗、あんた父さんにはしても良いって言ってんの?」 「由佳姉、当たり前じゃん。雅兄が母さんに変な事する許可おろすわけねーじゃん。マザコンなんだし?」 「そんな事言ったら、あんたもよ。悠斗。ま、私も母さん大好きだけどね」 「新一ってば愛されちゃってるわね〜。私も、早く良い相手見つけて結婚しようっと♪」 「また、工藤君守備隊メンバーに力が入りそうですね、警部…….」 「ああ、そのようだね。高木君…..」 「「「「「「!!!」」」」」」 「あー、由美ってば馬鹿なんだからー。こーんな、おいしいシーン見逃すなんて」 おいしいシーン……訳して、快斗と新一のキスシーン。 恥かしがって逃げる新一を捕まえ、快斗がした行為だった。 工藤新一レイプ事件の疑惑も無くなり、心配もなくなった。 が、哀を心配と恐怖のどん底へ落とした快斗への、復習計画疑惑がかわりにできた。 さぁ、快斗はどうなる?! |
+由美様からのコメント+
うっはー!長編!疲れた!でも書いてて、楽しかった! |
+春日より+
由美様、すてきな小説を本当にありがとうございます。
新一君命の皆さんが拝見できて本当に感謝しています。
加えて、かわいらしいイラストまで!!!
大事に保管させていただきますね〜